阿寒湖のマリモ

国の特別天然記念物 ”阿寒湖のマリモ”公式ホームページ www.marimo-web.org ○。マリモWeb ○。

”阿寒湖のマリモ”公式サイト
阿寒湖のマリモ公式サイト”マリモWeb”

@マリモ保護管理計画の策定

◆マリモの危機的な現状

阿寒湖では、古くからマリモの保護活動や調査研究が行われてきましたが、かつて湖内に4カ所あった球状マリモの群生地は半減したまま回復の兆しが見えず、残ったチュウルイ湾とキネタンペ湾も昭和40〜50年代に深刻化した湖水の富栄養化などによって群落が衰退して以降、目に見えて回復する様子はありません。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧T類に指定されているように、マリモの危機は今なお続いているのが現状です。

その一方で、マリモの盗み取りやチュルイ湾で周期的に発生するマリモ打ち上げへの対応、昭和30年代に同湾の湖岸に建設されたまま残存しているマリモ打ち上げ防止堤の撤去問題など、未解決な問題も少なくありません。また、特定外来生物ウチダザリガニの影響も無視することができません。さらに、マリモに関する科学的な知識が増すにつれ、その利用や普及をどう図って行くかという新たな課題も生じています。

マリモ集団が消滅した阿寒湖西部のシュリコマベツ

◆マリモ科学委員会による調査検討作業

「阿寒湖のマリモ保全対策協議会」では、このような課題を解決するための指針を整えるべく、平成22年2月に生態学や湖沼学の専門家からなる「阿寒湖のマリモ保全対策検討委員会(マリモ科学委員会、委員長・佐藤謙 北海学園大学教授)」を設け、今後のマリモ保全対策や関連事業の基本計画となる「マリモ保護管理計画」を検討してきました。平成24年2月、その取りまとめ作業が終わり、今後は同計画に沿って関係機関・団体が協力しながら様々な事業に取り組んで行くことで、より効果的なマリモの保全対策が講じられるようになると期待されます。


−阿寒湖のマリモ保全対策検討委員会(五十音順)−

石川靖(北海道立総合研究機構環境・地質研究本部環境科学研究センター 自然環境部 主査)
大原雅(北海道大学大学院地球環境研究院教授)
佐藤謙(委員長・北海学園大学工学部教授)
中瀬浩太(五洋建設株式会社環境事業部部長)
若菜勇(釧路市教育委員会マリモ研究室学芸員)

マリモ科学委員会による阿寒湖の現状視察(平成23年7月)

◆提言されたマリモ保護管理の目標と施策

マリモ保護管理計画では、「2つの目標」、「留意すべき3つの視点」、「留意すべき8つの事項」を基礎として、未解決な、あるいは顕在化している課題を4分野7項目に整理し、諸施策を提言しています。近年の研究で新たに明らかになったマリモの生態と、阿寒湖の特性に即した科学的で総合的な保護管理を意識した内容となっています。

「目標達成のための施策の提言」に示した項目のうち主要なものを紹介すると、「@マリモ保護管理体制の適正化」では、マリモ保全対策の推進に向けた事務局組織の適正化やモニタリング調査の体制整備が指摘される一方、「Cマリモ消失水域の環境修復とマリモの保護増殖に向けた調査研究の推進」では、過去にマリモが消失した阿寒湖西部のシュリコマベツ地域を「マリモと触れあい、マリモを学ぶ場」として保護増殖の試みを進める構想が示されています。

マリモの保護と活用の両立を図る解決策として提案された
マリモ消滅水域における個体群の復元再生構想


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