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マリモ保全対策協議会 活動レポート
1.衰退を続けるマリモ
過去、阿寒湖に4カ所あった球状マリモの群生地は、今日2カ所を残すだけとなっており、また残存している群生地でも、一時期ひどかった湖水の富栄養化によってマリモは大きく数を減らしたまま生育状況が回復する兆しはありません。
当時、懸念されていた絶滅の可能性は今なお去っておらず、マリモ保護対策の確立が急務となっています。
2.マリモの保護の現状
これまで、釧路市教育委員会や地元の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」保護会が中心になって調査研究や保全活動を継続してきた結果、マリモの生育条件をはじめとして、阿寒湖の総合的な管理や保全対策が講じられるまでに科学的な知識が蓄積されてきました。
しかし、その一方で、生育状況の悪化のみならず、マリモ保護に関わる様々な課題や問題も明らかになっています。
3.関係機関が協力して平成21年からマリモ保護の取り組みを開始
阿寒湖とその周辺地域の保全や利用については、多くの団体や機関が関わっていることから、釧路市と財団法人前田一歩園財団、NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構、特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」保護会がよびかけ人となって、平成21年10月5日、「阿寒湖のマリモ保全対策協議会」が設立されました。
協議会では、環境省の「生物多様性保全推進支援事業(平成21〜23年度)」の支援を受けて、郷土の宝であるマリモと素晴らしい阿寒湖の自然環境を未来の世代に伝えて行けるよう、3ヵ年をかけてマリモ保護管理計画の策定など様々な事業に取り組んでまいりました。
マリモの保護をめぐる様々な課題
- マリモ保護管理体制のあり方
- モニタリングの体制や実施・評価方法
- 定期的に発生するマリモの打ち上げおよび漂着への対処
- マリモ打ち上げ防止堤の撤去
- マリモの盗採防止対策
- 消失個体群の復元再生
- 外来種ウチダザリガニの影響評価と防除
- 教育普及の推進(マリモ展示施設の改修や利用促進、マリモ研究情報の整備と活用)
「阿寒湖のマリモ保全対策協議会」の構成団体
- 関係行政機関
- 釧路市(阿寒町行政センター・企画財政部・環境部・経済部・水産農林部)
- 釧路市教育委員会(学校教育部・生涯学習部)
- 北海道教育庁釧路教育局
- 北海道釧路総合振興局生活環境課
- 北海道釧路総合振興局釧路建設管理部
- 湖の利用者
- 阿寒湖漁業協同組合
- (有)広大
- 阿寒観光汽船(株)
- ほくでんエコエナジー(株)
- (有)阿寒ネイチャーセンター
- 集水域管理
- (財)前田一歩園財団
- (株)ニチモク林産北海道
- 阿寒湖畔森林愛護組合
- 自然保護・マリモ保護
- 特別天然記念物「阿寒のマリモ」保護会
- (財)自然公園財団阿寒湖支部
- 阿寒湖パークボランティアの会
- 地域・観光関係
- NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構
- 阿寒湖温泉旅館組合
- アイヌ工芸協同組合
- 阿寒湖温泉連合町内会
- まりも倶楽部
4.主な事業成果
@マリモ保護管理計画の策定
Aマリモの保護育成試験
Bマリモ消滅水域の環境調査
Cウチダザリガニの影響調査
Dシンポジウムおよび事業報告会の開催
5.新たな取り組みに向けて
生物多様性保全推進支援事業による活動は平成23年度で終了し、「阿寒湖のマリモ保全対策協議会」は平成24年3月をもって解散いたしました。今後は新しい体制に移行して、計画の実現に向けた活動を始める予定です。
平成24年2月14日に開催された協議会総会で、 会の解散が承認されました
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