その後、1849年に、キュツィングによって、マリモはシオグサ属 Cladophora にまとめられます。 阿寒湖のマリモを最初に記載した川上滝彌の論文では、阿寒湖のマリモの学名は、ツェラー湖のマリモと同じ Cladophora sauteri とされています。
ところが、DNA解析に基づくマリモの系統分類に関する研究から、マリモはシオグサとは別のグループに属することが明らかになりました。また、ダンネモーラ湖とツェラー湖と阿寒湖のマリモは、同種であることが判りました。
そこで、マリモの学名は、1843年までさかのぼり、リンネの標本にキュツィングが命名し直した、Aegagropila linnaei を採用することが適当と考えられます。
遺伝子の本体であるDNAを用いた系統解析によって、マリモの分類に関する多くの謎や混乱が解決しました。まだ、課題もたくさんありますが、明らかになったことを紹介します。
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