湿原のマリモ球状体
 エストニアの南部に位置するオイツ湖は、湖岸距離6km程度の小さな湖で、最大水深が約4m前後と非常に浅いことが特徴です。
 マリモは、湖南東部の水深0.3〜0.7mの湖底に分布しています。日光を充分に浴びて生育しているせいか、緻密で美しいマリモが多数見られます。
 球状マリモの生育状況の変化は、湖沼環境の指標となるため、今回の調査を機に定期的なモニタリングが行われることになりました。



 一般に、水深の浅い沼は湖沼遷移が進んでいるため、水質の富栄養化、透明度の低下、底質の軟泥化、浮葉・抽水植物の増加が見られるのが普通である。しかし、オイツ湖は周辺の森林がよく保全されているためか、湖水が清浄で、生育場所の底質も粗い砂からなるなど、マリモの生育に適した環境を備えている。







 採取された球状マリモ。調査した中で最大のものは、直径が17cmであった。



球状体の発達過程
 オイツ湖のマリモの基本的な生活様式は、二枚貝の殻上で生活する着生糸状体です。この着生糸状体が集塊をつくったまま剥離・浮遊すると、水深が浅いため、集塊は波動によって揺り動かされながら放射生長を続け、真球に近い球状体に発達します。
 オイツ湖のマリモのもうひとつの特徴は、ミズゴケと混生していることで、コケの存在が直射日光や波浪の軽減に役だっているようです。
オイツ湖湖底の二枚貝と、着生するマリモ糸状体
二枚貝上の着生糸状体
二枚貝から剥離した集塊
湖底に生育する発達した球状体
発達した球状体の内部構造

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